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ゲーム理論2:競争環境の理解。で?

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今日は少し趣向を変えて、問題形式で。

問題その1
ある地域に二つのガソリンスタンドがあるとします。もし両社が価格を高く設定すれば、利益を最大化できますが、一方が価格を下げると、そのスタンドに多くの顧客が流れます。もし両者が価格を下げてしまうと、利益は大きく減少します。

このシナリオでは、価格を下げないことで協力するのが理想的ですが、相手が価格を下げるリスクを避けるために、自分も価格を下げてしまうのが安全な戦略です。すると相手も価格を下げます。すると自分も再度価格を下げます。最終的には双方が下げられる限界まで下がったところで止まります。

このように、自分の最大利益を求める行動が、結果的に双方にとって不利益をもたらす可能性があります。この状態をなんと言うでしょうか?

答えは囚人のジレンマ、でした。数式ではもっとシンプルな例があるのですが、ビジネスでイメージできるようにしてみました。

問題その2
二つの企業が競合する製品を市場に出しているとします。企業Aと企業Bがそれぞれ広告に多額の資金を投じることができます。もし両者が広告に多くのお金をかければ、ブランド認知度は増しますが、広告費用の増加により利益は抑えられます。もし一方が広告を行わずもう一方が行えば、広告を行った方が市場を支配することができます。

しかし、現実には、両者が広告を控えめにすることで費用を節約しつつ適度な市場シェアを維持することとなります。

このように、どちらかが一方的に戦略を変えることは利益をもたらさず、結果的には両者が同様の戦略を取ることで安定した状態が維持されることをなんと言うでしょうか?

答えはナッシュ均衡です。提唱者をジョン・ナッシュさんといい、2001年にノーベル賞を受賞されました。興味のある方はぜひ『ビューティフル・マインド』という映画をご覧ください。

互いの行動が与える影響を考える
囚人のジレンマは、協力することが個々の利益にとって最善であるにも関わらず、個々が自己の利益を追求するために非協力的な選択をする可能性があることを示しています。
一方でナッシュ均衡は、全プレイヤーが自己の最適戦略を採用した時に到達する、相互作用のバランスの取れた状態を指します。

だから何?
ナッシュ均衡や囚人のジレンマの概念が戦略立案に有用だとされる理由は、ビジネスに予測可能性を元にした戦略を提供するからです。って、なんのこっちゃですよね。

例1. 相手の行動の予測
囚人のジレンマやナッシュ均衡は、相手が自己の利益を最大化しようとすると仮定することに基づいています。この仮定により、相手がどのような選択をするかを予測することが可能な場合があります。例えば価格競争。他社が価格を下げた時の自社の価格への影響と、自社がそれに対応することによる他社の動き方の予測。

例2. 長期的な戦略の策定
ナッシュ均衡は、各プレイヤーが他のプレイヤーの戦略に対して最適な反応をすることで安定した状態に達することを示しています。なので、長期的な安定性や持続可能な利益を追求する戦略を立案するのに役立ちます。例えば、値下げしすぎた場合の業界としての長期的な影響など。

例3. 協力と競争のバランス
囚人のジレンマは、競争だけでなく協力の重要性も示しています。業界内での非公式な協定や、競合他社との協業を考慮する際に、どのようにして共通の利益を追求できるかを考える助けになります。例えば、SDGへの対応などです。

で、どうしたらいいの?
競争環境について理解するフレームワークとしてはわかりました。が、その問題解決のためには何ができるのか?まだわかりませんので、探索を続けます。

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