今日の授業もまた、学びがありました。「データを大切に」、「現場現物を見ろ」、「数値を確認せよ」。職場では、このような言葉を毎日言われたり言ったりしていると思います。
それを逆転させてみてください、というのが授業のお題。ほとんど知らない業界について、いま持っている知識と過去の経験から、こんなビジネスが出来るのではないかと推測してみてください。データは無いものとして考えてみてください。
これっていつもと逆ですよね?仕事ではまずデータありき、ですよね?そのデータから何が言えるかを説明せよ、ですよね?あえてこの思考を逆転させてみる。めちゃくちゃ違和感があって、なんか気が進まなかったんですが、やはり、違和感にこそ学びあり。
まずは仮説を何個か出す。それをみんなで議論する。その後で必要だと思われるデータに当たる。「いやいや、そんな根拠のない仕事の進め方でうまくいくわけないだろう」。私の脳みその常識がそう批判してきます。
知らないからこそ出てくる新しいアイデア。今回も若い人たちとのグループワークでした。彼らは、私なら「いやいや、普通はそんなこと考えないだろ」ということを提案してきます。そこにもまた、私は違和感を感じるし、ストレスもある。でも、話を進めていくと突破口が見つかる。そして思うんです。「ああ、おれもまた、過去の職務経験に縛られた老害に少しずつ歩みを進めているのだな」と。
データ分析に基づく意思決定ではなく、意思決定に基づくデータ分析。実は、これがこのコースのお題です。最初は意味がわからなかったし、私としては「データ分析からどうやって洞察を得るのか、その洗練された手法を教えて欲しい」と思っていました。が、授業が進むにつれて自分の常識が少しずつ剥がれてきて、この考えを受け入れられるようになってきました。
特に日本人には有効な授業だと思います。根拠やデータの重要性を嫌というほど叩き込まれていますから。でも物事の考え方は違うやり方がある。いつもと逆の発想をすると、見えてくるものがある。
自分の違和感があるところに学びあり。今回もありがとうございました。