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世界経済6:イギリス、うーん…

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イギリスで就職を考えている人も多いので、今日の授業はまあまあ人が多かったです。でもみんなの感想は、「厳しそうだね…」。

Brexit前
Brexit(イギリスのEU離脱)って、ありましたよね。イギリスはEUから脱退することを2016年に決めて、2020年に正式に脱退しました。とはいっても、Brexit前からイギリス経済は複数の課題を抱えていました。大きな問題は生産性の停滞で、過去10年間で生産性の成長率は大きく低下しました。また、不平等の拡大や住宅価格の高騰も大きな社会問題となっており、これらの要因がBrexit支持に拍車をかけたとされています。加えて、経済全体で大規模な財政赤字や貿易赤字を抱えており、海外からの投資依存も高まっています​。

私が学生時代に習ったのは、「イギリスは工業化を経てその後いったん低迷したが、その後でより高付加価値なサービス業へ転じた成功例」ということでしたが、世の中そんなにうまくはいかないんですね。高付加価値な金融やITで働けている人と、そうでない人の格差も広がっていますし。

Brexitの背景とイギリスの選択
Brexitは主に二つの理由で支持されました。一つは「国家主権の確立」、もう一つは「EUへの不満」です。移民政策や規制の独立を望む声が強まり、EUからの脱退が国民の自由を回復し、国家の利益に基づいた独自の政策を推進できると考えられました。特に、EU市場への依存度が低くなったイギリスでは、貿易交渉の自主権や移民政策の自由化が重要視されました​。

Brexitの経済的影響
国際貿易に関しては、イギリスはEU離脱後も多くの品目で関税ゼロの貿易を維持していますが、非関税障壁が増加しました。非関税障壁とは、関税以外の方法で貿易を制限する制度や措置、慣行の総称です。国内産業の保護を目的としており、例えば輸入数量制限や輸入課徴金、差別的貿易金融制度などがあります。

また、EUへの輸出依存が高いイギリスにとっては、EU市場へのアクセス低下は長期的にGDPに対するマイナス影響が大きいみたいです。また、EUからの直接投資も減少します。まあ、そりゃそうですよね、離脱したんだし。

私個人の目線でBrexitの悪影響を考えた時に、真っ先に思いつくのは観光客の減少とビジネス機会の減少です。例えば旅行でイギリスからベルギーに行くじゃないですか。そしたら飛行機も電車も、当然パスポートチェックを受けるんです。でもベルギーに入った後でオランダやドイツやフランスなどのEU各国に行くときにはそんなチェックはいりません。EU圏内ですからね。やっぱりね、これは実体験すると、「イギリスからEU諸国への出入国って面倒くさいよな。EU圏だったらストレスフリーで行き来できるのに~」って感じます。観光ですら面倒なんだから、ビジネスはもっと面倒ですよね。行き来がなくなるってことは、回るお金も人も減るんだから、そりゃ良くならんわなあ。。。

移民と労働市場への影響
Brexitは移民政策にも大きな影響を及ぼしました。Brexit前は、移民流入がイギリス国内での雇用機会を圧迫しているという懸念がありましたが、実は移民削減が労働市場に与える影響も大きかったようです。移民の多くは低賃金労働者で、イギリスのサービス業を支えていた面があります。低賃金労働者の供給減少は賃金上昇をもたらし、あらゆるサービス業のコストが上昇し、経済全体として高コストになりました。また、長期的には労働力不足が成長を制約するという面もあります。

COVID19とBrexitのメガトンパンチ
COVID19も、EUからの正式脱退も、偶然にも2020年。すごいですよね、この大きな負の圧力が同時に来るって。私はBrexitやCOVID19前のイギリス経済を知らないのですが、イギリスの経済は復活していないようです。今、私が部屋を借りているお金持ちの大家さん(もともとかなり稼いでいたサラリーマンだったらしい)から言われたコメントを最後にご紹介します。

「ヨウヘイ、おまえ、なんでイギリスに来たんだ?外国からわざわざ来るってことは、経済的リターンを見越してきたんだろう?おれも昔はお前と立場だったからよくわかる。ここにくるのが20年前ならよかったよ。街も経済ももっと明るかったしな。おれはその当時のイギリスが好きだった。それが、Brexit前後で悪くなって、コロナでダメ押しで悪くなった。今から外国人労働者としてリターンを求めるなら、ここじゃない。アメリカかシンガポールかドバイに行け」。

えー、そうなの?そんなこと言われてもね。まあ、悪いって言ったって、他にもっと悪い国もたくさんあるからなあ。何と比べるか、ですよね。

というわけで、就活は慎重にいきましょう。

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