世界経済の最後の授業は、素晴らしい問題提起で終わりを迎えました。いろいろ考えさせられるスライドがあったのですが、まずはポピュリズムについて取り上げたいと思います。
ポピュリズムっていう言葉はいろんな場所で見たり聞いたりするようになったと思います。そして、今の世界はポピュリズムが行き過ぎている、というような論調が多いと思います。でも、ポピュリズムって何?トランプ大統領のこと?今に始まったことなの?悪いことなの?などなど。なので、その歴史を見ていきたいと思います。
ポピュリズムを理解する
ポピュリズムの基本的な概念は、社会を「庶民」と「エリート」という対立構造にすることです。ポピュリズムは思想ではなく、むしろ政治戦略です。ポピュリストはしばしば、自分が「庶民」を代表し、「エリート」と呼ばれる人々が現実を理解せず、腐敗していると批判します。
ポピュリズムの主な特徴
・反エリート主義:政府、学術界、メディアなどのエリート層への不信感
・過度な単純化:政治を「善(庶民)」対「悪(エリート)」で表現
・体制批判:裁判所や大手メディアなどの権力を、エリートの道具だとして否定
歴史的な起源
ポピュリズムは新しいものではないようです。
・1890年代:アメリカの人民党主導で、農民が経済的不平等や独占企業に抗議
・1930年代:大恐慌後、欧州ではファシズムやナショナリズム、ナチズムが台頭。中南米では、アルゼンチンのペロン主義が再分配や国家の誇りを強調
・冷戦移行:中南米ではベネズエラのチャベス政権のような左派ポピュリズムが成長し、反米感情や社会不平等を強調
現代のポピュリズム
・右派ポピュリズム:ナショナリズム、反移民政策、反グローバリゼーションに焦点を当てています。例として、イギリスのブレグジットやアメリカのトランプ大統領が挙げられます。
・左派ポピュリズム:富の再分配や大企業への反対を強調しています。例としてはバーニー・サンダースです。
ポピュリズムを生む要因
・経済的不平等:富の集中への不満
・文化的反発:移民の増加やジェンダー平等といった急速な社会変化への抵抗
・技術革新:自動化やグローバリゼーションで仕事を奪われたことによる経済的不安
・誤情報:偽ニュースや偏った情報の拡散による不信感の増加
・危機的状況:経済不況やパンデミック、政治腐敗のスキャンダル
ポピュリズムの重要性
ポピュリズムは悪い点だけではありません。無視されていた問題を浮き彫りにし、疎外されていた声を拾い上げることができる、という長所があります。
過去の歴史を見た時に、ポピュリズムによってかなり過激なことが起きていますね。今もまたポピュリズムが盛り上がっていますから、何か大きな変化が起きる日も近いのかもしれません。うーむ、怖い。
世界経済10:ポピュリズムの結末は…

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