世界経済の授業も大詰めを迎えてきました。今日は、個別の事象ではなくて、世界経済のトレンドについて話がありました。世界の潮流である人口動態の変化にくわえて、AIの普及がどのように経済、労働市場、そして社会を変革しつつあるのか。
1.人口動態の変化とその経済的影響
・先進国の高齢化
先進国では人口増加が停滞し、急速な高齢化が進行中です。これにより、労働力人口が縮小し、経済成長が鈍化する一方で、健康や年金関連の支出が増大しています。結果、個人は目先の支出を控えて、より多くの資産を貯蓄に回す傾向が強まります。
・新興国の成長と中間層の台頭
一方、新興国では人口ボーナスを活かしながら、中間層が急成長しています。これにより、住宅、教育、ヘルスケア、エネルギーといった分野での需要が増大しています。これらの国々が経済成長を牽引する時代が来るのだろうと思います。
2.AIによる生産性向上と課題
AIは業務の自動化を可能にし、コスト削減と効率化を実現しています。
例)医療:診断ツールや治療計画の最適化。
例)製造業:スマートファクトリーによる生産効率の向上。
例)金融:予測分析やオートメーションによる業務効率化。
でも一方で、AIがもたらす生産性の向上は、過去の技術革新(例: 電力やインターネット)ほどのインパクトはないという見方もあります。私はこちらに一票。特に理由はありません。
労働市場への影響
・雇用の二極化
AIは、労働市場の二極化を引き起こしています。
無くなる仕事:製造業、物流、小売業といった反復的な業務が自動化されていきます。
増える仕事:データサイエンティストやAIエンジニアなど、高度なスキルがより必要とされます。
・経済格差の拡大
AIの恩恵は、高度なスキルを持つ人々や資本家に集中し、所得格差広げています。このため、労働者のスキル再教育が重要な課題となっていますが、これまでよりもより高度な教育を”再教育”ってのは、現実的になかなか難しいですよね。
金融業界へのAIの影響
授業では金融業界への影響を取り上げていました。
予測分析:AIモデルが株価、消費動向、リスク評価を高精度で予測。
自動化:RPAにより、経費削減と正確性向上を実現。
個別化サービス:AIアルゴリズムが、各顧客のニーズに応じた投資戦略や金融商品を提供。
ただ、なんで金融業界をピックアップしたのか、私にはぴんと来ませんでした。
AIの世界的影響と課題
・経済成長の停滞リスク
AIが生産性を向上させる一方で、労働需要の減少と投資機会の減少が、長期的な経済成長を抑制するリスクも指摘されています。
・倫理的・社会的課題
AIの普及は、新たな社会的課題も浮き彫りにしています。
例)AIシステムのバイアスをどう排除するか。
例)データプライバシーをどう保護するか。
例)AIの利益をいかに公正に分配するか。
授業を受けてみて
総じて、機会もリスクもあるよね、という感じでした。受け止め方は人それぞれ。AIについていろんな人の話を聞いていますと、「AIは人類史上初めて人間の脳みそにとってかわる進化だから、これまでの産業革命以上の影響がある」という人の意見が多いように感じます。一方で、これはちょっとバブルなんじゃないのか、という意見もあります。まあたしかに、よくわかっていない人も含めていろんな人が「AIってすごい!」みたいな感じになっているので、ただのバブルなのかもしれません。
個人的には、低教育層が多い国ほど、AIの進化で困ることになるんじゃないかと思います。産業革命は常に低付加価値の仕事をなくし、高付加価値の仕事を増やしてきました。低教育層の方々を、これまで以上に高付加価値な仕事をするために教育するってのはなかなか難しいのでは。再教育が思うように進まない場合、多くの人にとって余計に仕事がない状況が生まれるのではないか、と。よって、AIに対応できる国とできない国での国際格差が広がるとともに、同じ国の中でも、AIに対応できる人とできない人での貧富の差も広がるのだろうと思います。
最後にこの図を。
GDP Share:世界のGDPに占める、その地域や国のGDPのシェアです。
GERD Share:世界の研究開発費に占める、その地域や国の研究開発費のシェアです。
研究開発費の比率が高いってことは、将来に投資しているってことですから、将来の成長も大きいのではないかと思います。下の3つ、米国、中国、日本は、かなり研究開発にお金を投じているので、良いのではないでしょうか。

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