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意思決定のためにわかる範囲を広げていく

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トップマネジメントのあり方:ケーススタディ、ホンダ今日はUnderstanding Top Managementというコースが始まりました。一番最初のケーススタディはなんとホンダ。えー、本田宗一郎さんと藤沢武夫さんのお話かあ、って思うじゃないですか。違いました。まず事前課題として、ホンダがどのように米国市場に進出し、他社のシェアを奪い、技術革新を行い、製造・販売プロセスを成功させたのかのケーススタディを読みました。ここで語られたのは、いかにホンダが効果的な戦略を行ったのかについて語られていました。授業ではホンダがどのように成功したのかを、教授と学生の対話を通じて明らかにしていきました。で、一通り一般的な回答が出そろったところで、学生にケースBが配布されました。そこに書かれていたのは、本田宗一郎さんのエキセントリックな性格、CEOではなく技術者のみのバックグラウンド、戦略ありきではなく「やってみてから考えてみよう」な方針、行き当たりばったり(とは書けませんが)なマーケティング戦略について、北米駐在された偉い方のインタビューを通じて、明らかにされました。「なるほど、ということであれば教授は”本田宗一郎さんの情熱と藤沢武夫さんの戦略性のコンビネーションがトップマネジメントには重要”というような結論にするのかな」と考えたのですが、違いました。教授の答えは、「ケースAの事前課題は、すべての事実が出そろった後での評論家のまとめ。ケースBは、実際のトップマネジメントが行う意思決定プロセスのリアル。」とのことでした。トップマネジメントであるかぎり、すべての情報が出そろった状態で意思決定することはありえません。常に選択と行動。何かわかりやすい答えを出してくれるのかと期待していましたが、そうではありませんでした。では、トップマネジメントはとりあえずやみくもに大胆に行動して、幸運を待つしかないのでしょうか?それに対して教授は以下の説明を行いました。会社の利益はどのプロセスが貢献するのか、というものです。利益はまず、産業構造で20%が決まります。競争的な市場かどうかで利益レベルが決まるからです。次にタイミングが占める要素が5%。そして事業戦略が30%。大きいですね。そして全社戦略が10%です。事業戦略のイメージとしては各部門・各事業がどのように戦略を立てて実行していくか。全社戦略は会社のリソースをどのように配分するか、です。そして残りの35%はその他、というか、様々な要素、です。トップマネジメントしてMBAを学ぶ目的は何か?それは、65%の特定可能な要素がどのようにして利益に貢献し、過去のケースをどのように未来に当てはめるかを学ぶことです。自分でコントロールできる”かもしれない”要素が65%あるということを示しています。そして、残りの35%は少しずつ解明されつつあるとはいえ、いまだにわかりません。日本のMBA嫌いの方は、この35%にフォーカスをしているといえます。「MBA学んだって経営がわかるわけじゃない」「MBA卒業しているのに会社が傾いた」などなど。それはちょっと完璧主義が過ぎますね。100点なんてどこにもありませんからね~。我々ができることは「自分がコントロールできることに集中すること」です。といっても言うは易し、行うは難し。ステップとしては以下となります。・自分は何がわかっていないのかがわからない。・自分は何がわかっていないのかがわかる。・自分は何がわかっているのかがわかる。今日の最初の授業で学んだことは、MBAで学べる範囲が65%あるということがわかったことと、いまだにわからないことが35%あることがわかったことです。もちろん、学んだことをそのまま生かせる人も、生かせない人もいるでしょう。ただ、今後も末永く続いていく人生と事業の「意思決定」プロセスを、少しでも合理的なものにするための心構えができました。まずは、100点主義から脱却し、すべての意思決定の前では視界が不透明であることを理解し、そして自分がわかる範囲を広げていく。よし、これでいきましょう。

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