日本人はなぜ英語の習得が苦手なのか、については掃いて捨てるほどの論考があります。英語へのコンプレックスから、英語学習への需要は恐ろしく高い。しかし、それでもほとんどの人は上達しない。
自分なりに何が原因なのかを考えると、①複雑な日本語(ひらがな、かたかな、漢字)に脳みそのリソースをかなり割いているという、容量の問題 ②日本語を操ることによる日本文化・マインドセットからの影響、③社会としてずっと停滞していることによる自信の喪失、というのがわたしの考え。
『英語 唯一のルール』ジェイ・リース著
今回読んだこの本は、米国人から見た②を解説しています。私は、あなたは、いったい何者なのか?について考えることができます。ぜひ読んでみてください
「僕が目撃したことから推測できることは、これが言葉の「呪い」であり、それは英語を習おうとするどの日本人にもネガティブな感情、自信喪失、そして最終的には絶望さえも感じさせるものであるということだ。」
「人のメンタル面を作り上げる構造の源となるものは、その者が育った社会環境とその者が集めた人生経験の中に置かれている。プログラミングは家庭の中から始まり、徐々に近隣地、学校、ユース集団、職場、そして暮らすコミュニティの中で続けられる。」
「IDV指標によると、集団主義的社会に住む日本人は自分のことを、他とは別の一個人としてではなく、組織の一員であると考える傾向にあるということだ。集団主義的社会には下記のような特徴がある
· 生徒は集団の許可を得てから発言する
· 教育の目的はやり方を学ぶこと
· 卒業証書を得ることによって、より高いステータスを得られる
· 悲しみは見せても、喜びを見せることはよく思われない
· 部下を直接評価する行為は和を乱す
· 職務より人間関係が重視される
· 最終目的は社会の調和と総意
· 「私」などの一人称の使用は避けられる」
「日本語は「完璧さ」を求める言語。英語を学ぼうとする日本人は、その厳しいルールを英語を話す時にも当てはめてしまう。日本語を習った時のように、英語を習うことも0か100か、として多くの方々に見られているように見受ける。英語を「正しく」、「完璧」に話すことができない場合、自分は「正しくなく」、それは受け入れられない、とでも言っているようである。」
「英語が「うるさい」言語だ、とまでは言わないが、日本語と比べた時、英語の方が明らかにオープンで、自信に満ちた口調を使用し、積極的である。なので、日本語を話す時と同じ音量でアメリカ英語を話すのは英語の使い方に反するのだ。その実、アメリカ英語の文化に合った音量で英語を話さなければ聞き手を困惑させる可能性さえあり、最悪の場合、あなたが言おうとしていることを無効にしてしまう恐れもある。」
「アメリカ人は沈黙を埋めなければという社会的プレッシャーを感じることと、それだからあなたが話していても隙あらば割り込んでくるように感じるのだ、と理解するだけでも大きな進歩になる」