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経済学4:技術革新の繰り返しによる経済成長と拡大。安心してAIを取り入れてみては。

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前回、ソローモデルによる経済成長の考え方を見ました。
経済は、国民の貯蓄・消費が企業に回り、資本ストック(設備投資)が増加し、生産量は増えて、人々の所得は増えることで成長します。
が、投資すればするほど、投資による収益は少なくなりますから、成長は長続きしません。よって、長期的な経済成長には、技術の進歩が必要です。

生産性の向上が経済成長を支える
アメリカの経済データをもとに、生産性の向上と経済成長の相関を見ました。生産性が上がれば経済成長に寄与するので、強い相関があります。であれば生産性をどのように向上させるか。技術革新です。

技術革新をどうとらえるか
経済成長=資本ストック×労働投入×生産性、という式になるわけですが、技術革新は生産性の向上に寄与します。そして、技術革新によるプラスの生産性向上が、経済成長につながります。

技術革新で経済成長がマイナスに行くことはあるのか?
例えばAIやAI搭載ロボットが出てきたらどうでしょうか?生産性は大幅に上がるかもしれないけど、それ以上に労働投入が減少する、ということはあり得るのでしょうか?

わかりにくいので、上記の式に、具体的に数値を入れてみます。技術革新前に対して技術革新後は、生産性が10⇒11に増えたが、必要な労働投入量が10⇒9に減った。この場合、
・技術革新前:資本ストック10×労働投入10×生産性10=GDP1000
・技術革新後:資本ストック10×労働投入9×生産性11=GDP990
となって、生産性の伸び以上に労働投入の減少が大きく、GDPが下がってしまいます。さて、こんなことはありうるのでしょうか。

一般的にはあり得ない
経済全体としては、技術革新によって新しい産業やビジネスモデルが生まれ、既存の職を置き換える新たな職業が創出されることが一般的です。その結果、生産性は向上し、失われた労働の一部は新しい形で再び市場に吸収される可能性が高いです。
よって、技術革新が経済全体のマイナス成長を引き起こす可能性は低い。もちろん、産業の入れ替えが起きて、特定のセクター、地域、職種が減少することはあるでしょうけど、全体としてはプラスに効く。

みな技術革新の正しくとらえられない。
技術革新は”指数関数的”という表現をされることがよくあります。さて、これは正しいのでしょうか。確かに物理的な制限がない世界では指数関数的な成長というものはあるでしょう。ただ人間の傾向として、「新しい技術について、とある地点までは過小評価し、とある地点から過大評価する」という特徴があります。よって、その技術が浸透してきて、過小評価から過大評価へ転換するタイミングで、実態以上に大げさに捉えてしまっている可能性があります。

安心して技術革新に励みましょう
「AIによって人間の仕事が奪われるデストピア」みたいな、まるで1999年のノストラダムスの大予言みたいな意見もありますが、上記の「技術革新は新しい仕事を生み、経済全体を成長させる」という理論と、「とある技術に驚いて過小・過大評価する」という心理を理解し、安心して技術革新に励めばよいのではないでしょうか。
やっぱり、新しいことをする、生み出す、投資する、ということだと思います。

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