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買収、合併、再編3:アクティビストとプライベートエクイティファンド

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ファイナンスの話が深まるにつれて、いかに自分が生きてきた会計やファイナンスの世界が狭かったのか、よくわかってきました。基本的に「自分が経験したこと」が仕事の世界のすべてなわけじゃないですか。例えば私はメーカーの経理だったから、原価計算や設備投資という管理会計や、世の中に発表するための決算、世の中に説明するためのIRとかがすべてでした。M&Aとかももちろんやっているんですけど、メインではないわけです。でも会社を離れて客観的にファイナンスの世界を見ると、自分は内部資源の活用と管理ばかりをやってきたんだな、ということに気づきました。

敵対的買収vs.友好的買収
敵対的買収は、買われる会社の取締役会の承認なしで買収を仕掛けることで、株式公開買い付けがこれにあたります。個別の交渉では買われる会社がうんと言わないので、株主に直接「いくらで買いますよ」と問いかける手法です。敵対的買収を仕掛けられた時、どうすればよいのでしょうか?

防衛策あれこれ
・取締役の人数を減らす
・過半数以上の議決権を得る
・安価な株式を大量に発行する
・特別配当で現金を吐き出す
・訴える
・買収しようとしている相手を買収しちゃう
・友好的な会社に買収してもらう

アクティビストについて
アクティビストとは、だいたい10%程度の株式を保有して、企業価値向上のためにあれこれ提言する会社や人たちです。多くの場合において、経営が非効率だとか株主還元が少ないとか、本業以外の資産をたくさんもっているような会社が狙われます。うまく行っていないことについてあれこれ言うのは簡単ですし、やりやすいですからね。

アクティビストの成績
なんかすごく儲かっているような感じがするアクティビストですけれども、個人が投資するならS&P500のほうがよさそうです。下図を貼り付けましたが、アクティビストファンドに乗っかって投資するよりも、黙ってS&P500買っておいた方が、成績がだいぶいいみたいです。

そしてPEファンドへ
さてやってまいりました。みんな大好きプライベートエクイティ(PE)ファンド。ファイナンス系の学生の希望就職先を聞いたらだいたいPEかベンチャーキャピタル(VC)。なんでみんなが行きたがるのか、無理やり人個でまとめるなら「リスクがそこまで高くないわりに給料がやたら高い」から。なぜか。

まずはケースからの抜粋を
PEファンドをちょっと皮肉にまとめたコメントがケースにありましたので抜粋。直訳ですみませんが。「PEのビジネスモデルは、投資先企業やPEファンドからの収益をPEファームに還流させるように設計されている。自己資金をほとんどリスクにさらすことなく、プライベート・エクイティ・ファームは、好景気には報われるような大きな賭けをする。悪い時には、投資家が支払う高額な管理手数料と投資先企業が支払うモニタリング手数料で利益を上げる。カジノのハウスのように、プライベート・エクイティ・ファームは決して負けることはない」

リスクが高くないとはどういう意味か
PEファンドは、成熟した業界であまりパフォーマンスがすぐれない会社(主に上場企業)を非上場化して、多額の借入をさせて経営再建を図り、その後他の会社に売却したり、再度上場をしたりして利益を得ます。PEファームという会社からPEファンドという限定責任の会社を作ります。そこから対象企業に20%くらい資本を注入して、80%くらいをその会社に借入させます。PEファンドが借りるんじゃなくて、対象企業が自ら借入するのがみそです。また、買収の対象とする企業は、担保可能な資産を多く保有している場合が多いです。これは、うまく行かなかった場合にはそれらの資産を売却することでリスクを減らすことができます。

給料が高いとはどういう意味か
取り扱い資産に対して、平均的に2%の管理手数料と、20%の成功報酬がでます。例えば100億円の資本を注入した会社であれば、2%=年間2億円の手数料が得られます。そしてその会社の利益が年間10億円出ているということであれば、20%=年間2億円の成功報酬が入りますので、4億円ゲットです。4人で運営していたら一人1億円の年収ですね。

投資銀行とどちらが美味しいか
クラスメイトはファイナンス出身の人がたくさん参加しているので、どちらがリスクが少なくてかつ儲かるのか、という話になりました。人それぞれ意見は違うのですが、私が面白いなと思った意見は「投資銀行はPMI(買収後の統合プロセス)には参加しない。はっきり言って、買収が成功するかはPMI次第。でもこれは非常に難しくて成功確率は低い。しかも時間がかかる。こういった業務執行をしないで良いという点で、投資銀行のほうがリスクが少なく儲かる」だそうです。

お金をどう引っ張ってくるか
さて、一番最初の話に戻りますが、私はどうやらお金をどう使うかや、社内の仕組みをどうするかばかりをしてきたので、どうやってお金を調達するのかや、外部の関係者とどうやって協力していくのか、が、これから学んでいくべき点なんだろうなと感じました。

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