MENU
お知らせ内容をここに入力してください。

買収、合併、再編4:規制無きところバブルあり

  • URLをコピーしました!

さて、前回はプライベートエクイティを見ました。今回はプライベートエクイティの進化系と、ベンチャーキャピタルについて学びました。

金融界の「プライベート」とは
授業で出てきた金融市場早見表を下図のように添付しました。
・プライベートとは一般の方々に「非公開」という意味です。非公開の金融市場がたくさんあることがわかります。
・我々が普段関われる市場は下図の下の2つのみ。銀行と上場株式・債券のみです。この2つだけでもかなり大きな世界に感じますが、違うんですね。
・プライベートエクイティもベンチャーキャピタルも同じ非公開市場です。ただ、どの段階の企業を相手にするのかで呼び方ややり方が変わる、というイメージ。プライベートエクイティが成熟した公開企業の非公開化をメインにしているのに対して、ベンチャーキャピタルは上場前の成長企業をメインにしています。

ベンチャーキャピタルへの資金流入
2013年ごろからベンチャーキャピタルへの資金流入が急激に拡大しました。もちろんアメリカが世界のベンチャーキャピタル市場の半分くらいを占めているのですが、欧州も急激に資金を増やしています。2023年のデータで言いますと、トップ5はアメリカ$149B、中国$48B、UK$21B、インド$11B、フランス$9Bといった感じです。

投資されるのは100件に1件
ベンチャーキャピタルが投資を検討する会社が100社あるとしたら、そこから実際に投資するのは1社です。また、ここまで吟味して投資しても、成功確率は極めて低い。ただ、一つ当たれば他の不成功をすべてカバーできます。

バリュエーションの難しさ
成熟した事業を持つ会社を相手にするプライベートエクイティとは違って、まだ形になっていないスタートアップの将来価値を測るのは非常に難しい。計算方法が紹介されましたが、見たことが無くてまだ理解できていません。ただ教授が言っていたのは、どのような方法だったとしても不確定要素が多すぎるし、当たらないことが多いそうです。

経営上の難しさ
スタートアップを相手にするベンチャーキャピタルならではだと思うのは、資金を持ち逃げされないような歯止め策が用意されているということです。例えば優先株。まずはベンチャーキャピタルが先に株式売却の権利がある場合がほとんどです。また、経営がうまく行かなくなった場合にベンチャーキャピタルが経営に関与する条件もついていることが多いですし、追加の株式の発行も制限します。いかに経営や人、組織が不安定な会社にリスクの高い投資をしているのか、ということですね。

ゲストスピーカーが語るプライベートエクイティの現在
ブラックロックからゲストスピーカーが来てくださいました。以前に、プライベートエクイティはLBO(多額の借金を活用)を使ってLimited partner(限定責任)の組織で事業を行うことを説明しましたが、これは今のプライベートエクイティでは一形態に過ぎないようです。今彼らが力を入れているのはプライベートクレジット、です。

プライベートクレジット
銀行や他の伝統的な金融機関を通さずに、プライベートエクイティファンドや他の非銀行金融機関から借り入れる形式の貸付です。中小企業や成長期の企業がターゲットで、特に銀行の規制が厳しくなる中でその需要が高まっています。

なぜプライベートクレジットに力を入れるのか
プライベートクレジットの人気が高まっている理由はいくつかあります。
・銀行規制の厳格化: 2008年の金融危機後、多くの国で銀行の貸出基準が厳格化されました。これにより、中小企業などが銀行から融資を受けにくくなり、代替の貸出ソースとしてプライベートクレジットが注目されています。
・高いリターン: プライベートクレジットは比較的高い利回りを提供することが多く、投資家にとって魅力的な選択肢となっています。
・多様化のニーズ::投資家はポートフォリオの多様化を図るために、異なるタイプの資産に投資することが望ましいと考えており、プライベートクレジットはその一環として位置づけられています。

規制無きところバブルあり…
これは私の勝手な考えですが、伝統的な銀行への規制が強まっており、彼らが融資をできないような相手にお金を貸し付けて儲ける。たぶん現時点ではある程度中身を見て貸し出しをしているのでしょう。が、景気が過熱するとどうなるのでしょうね。バブルになるのではないでしょうか。

これ、どこかで見たような。リーマンショックって、こういうことじゃなかったですっけ?景気が過熱して、わけのわからないものまで値段が付くようになって、バブルになって、破裂した。プライベートクレジットは現時点で規制がされていません。そして、何か事件が起きるまで、規制はされないでしょう。

ということは、何か事件が起きるその日まで、儲けを楽しばよい、と都合の良い風に捉える。そしてみんな思う、「何か事件が起きるまでに止めればいいんだ。そこを見極めればいいんだ。まだ大丈夫だ」と。でも、そんなことはできないことは、これまでの歴史が語っています。さて、今回はどこまでいくのか。楽しみですね。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次