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買収、合併、再編5(最終回):人は徐々に,そして突然,破産する

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さて、最終回は財政難の会社について取り上げました。冒頭の言葉はヘミングウェイの小説に出てくる有名な一説で、授業でも冒頭で取り上げられました。破産も含めて、財政難の会社について、です。

財政難の会社に起こること
さて、会社が破綻するとどんなコストがかかるでしょうか?直接的には弁護士費用、監査費用、コンサル費用、投資銀行への手数料などが発生します。が、間接的なコストのほうが大きい。従業員もサプライヤーも顧客も投資家も離れていきますから。少し古い調査ではありますが、破綻によって企業価値の10-20%くらいが失われるという結果があります。

財政難企業を推測する
財務諸表を使って財政難企業を見つける方法が紹介されました。アルトマンのZスコア。聞いたことないんですけど、数式は以下の通り。
Z = 1.2 X1 + 1.4 X2 + 3.3 X3 + 0.6 X4 + 1.0 X5
o X1 = 運転資本÷総資産
o X2 = 利益剰余金÷総資産
o X3 = EBIT÷総資産
o X4 = 資本の市場価格÷債務の簿価
o X5 = 売上÷総資産
これが2.67以上だと破綻リスクが低く、1.81以下だと高いそうです。ちょっと複雑すぎて、なんの計算をしているのか、よく理解できませんが…。

破綻したときの処理ステップ
まず、財務的なリストラをします。その際に自力でやったりPEを入れてやるのが半分、法的に破産手続きをするのが残り半分です。法的に手続きをする際に、80%が会社更生、10%が他社による買収、10%が清算、です。

会社更生ならアメリカ
会社更生をする際に最も有名なのがアメリカのチャプター11。米国に本社を構えていないグローバル企業の中には、あえて米国のチャプター11を選んで会社更生をする会社もあるそうです。使い勝手が良いらしい。なぜか?
・超優先順位ファイナンス:破産時に新たに調達される借入金は超優先順位の借入として扱われ、他の債務者よりも先に返済されなければならない。=破産前の融資状況に縛られず、「今どうするのが最善か」に従って融資計画が策定できる。
・18か月間という比較的長い時間をかけて更生ができる。
・破産処理が数多く行われており、行政や、それを支えるプロフェッショナルサービスも充実している。

破産もビジネスにするアメリカのすごさ
チャプター11を申請すると、会社の資産に対して2-5%の手数料がかかります。これで儲けている人や企業もまた、多い。日本語で「破産」って書くと人生の終わりのような絶望感がありますが、アメリカだと「あ、ならちょっとやり直します?」くらいな感じでどんどん処理が進むイメージ(いや、これはただの私のイメージです)。
破産すらもビジネスになっているのがすごいよね、とクラスメイトと盛り上がりました。

追記:3時間の手書きテスト
約20年ぶりでしょうか。教室に集められて、紙が配られて、10問の設問を、3時間かけて解く。そして、手書きです。手書きのテストって本当に懐かしい。自分の書いた字が汚すぎて読めずに絶望しましたが、若い人に交じってテストを受けるのは新鮮です。若返るので、おすすめ。

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