同じプログラムの人たちや、同じ歳位の人たちから、その年で、よく知らない人たちとルームシェアできるね、と聞かれたので、なんでだろうと考えてみました。
もちろん、1つの理由は、9カ月間の間、インド人のクラスメイトとルームシェアをして、人と一緒に住むことに慣れたからというのがあります。
でもそれだけじゃないかも、もっと過去に、ルームシェアの原体験が何かあったのかもと、ふと、大学時代を思い出したんです。そしたらありました。そういえば俺、ネズミとルームシェアしてたことがあったなって。
大学時代、私は関西で過ごしまして、宝塚南口と言う阪急沿線に住んでおりました。そこは住むには充分良いところでしたが、貧乏学生だった私は月39,000円のボロアパートに住んでおりました。20年前のことですから、今よりも家賃が安いと言うのもありますが、その当時の周りの友達と比べても、20〜30%位は安かったんじゃないかと思います。
そのアパートはもともと家族用アパートだったのを改装して、っていうか無理矢理壁を突っ込んで区切って、何個かのワンルームにしたものでした。なので、収納がなくて、かつ無理やり分割してるもんだから、部屋の中に段差があると言う、とてもユニークな部屋でした。
人を招くと、部屋の狭さと収納のなさと段差があることに驚かれましたね、そういえば。私は働くことが嫌いだったので、バイトもしてなくて金がなくて、小麦粉を水で溶かしてそれを焼いて、ソースとマヨネーズつけて食べてたってのをいま思い出しました。学校の食堂でご飯だけ頼んで醤油かけて食べるとか、そういうこともしてましたね。あれはあれで楽しい。
友達とガストに行った時、普通のハンバーグ定食か、目玉焼きハンバーグ定食か、その100円の違いに死ぬほど悩みました。そして結局それよりもさらに安い山盛りポテトフライを頼むと言う日々でした。
そんなある日、私は気づきました「この部屋には、俺以外に誰かいる」と。なんかがね、動いたんです。最初はゴキブリかなぁと思ったんです。ゴキブリでも充分嫌なんですけど、なんかそれよりも大きいんですよ。そしてそれよりも速いんです。スラムダンクで例えると河田みたいなもんですね。「デカいのに速い」という。
そこからやっぱり緊張が走るわけです。なんだこれは、と。でも部屋は狭くてもので溢れてるんで、その実態が何か掴めないんですよ。そして追いかけごっこをしているとついに判明します、ねずみじゃん、と。
私はそれを見て「良し、見なかったことにしよう」という戦法をとりました。見てなければ、存在していないのと同じだ、という論理です。そしてベットに入りました。でもね、なんか音がするんですよ、これが。当たり前ですけど、「やっぱりいるじゃん!」ってなって。
ネズミが家の屋根裏を走るとかならね、まだわかるような気がするんですけど、それでも嫌ですよね。それが、同じ部屋にいるってのは結構嫌です。そして自分がベッドで寝ている間、ネズミはそのベッドの下にいるわけです。寝てる間にかじられたらどうしようとか思うわけですよ。だから、最初の日は数時間眠れませんでした。でも眠れるんですけど。
大家さんに連絡したところ、隣の部屋が、いわゆる汚部屋で、ゴミが散乱している状態で、そこにネズミがいたらしいんですよね。そしてこの部屋を作るために、無理矢理仕切った壁に穴が空いてるらしくて、そこから私の部屋に遠征してきたらしいです笑
壁を業者さんに直してもらって、これで平和な日々を過ごせるなと思ったら、また、あいつが現れまして。その壁は、直ってなかったらしい笑 結局私は卒業までネズミと暮らしたり、暮らさなかったりしながら、卒業しました。
いや、懐かしいね。あの頃。青春の輝きです。