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上場会社数から見るM&Aのチャンス

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日経新聞に「資本騒乱 膨張アクティビスト(2)気がつけば「ファンド天国」」という記事が載っていました。アクティビストが活躍しているのは日本だけではないわけですが、彼らが日本にどのようなチャンスを見出しているのか、数値から考えてみます。

日本の上場会社数
日本取引所グループのホームページに掲載されている資料を見ると、日本は何かしらの証券取引所に上場している会社数が大きく増加しています。1990年に1752社だったのが、2023年には3933社ですから、2.2倍に増えています。日本経済はこの間好調だったのでしょうか?「失われた30年」という時代でしたので、悪いはずです。

米国の上場会社数
一方で米国はどうでしょうか。ダートマス大学の数値を借りてきたところ、上場会社数は、1996年の7000社から、2020年には4000社未満なので、おおかた半分に減っています。米国の経済はこの間悪かったのでしょうか?株式市場もGDPも伸びていますので、良いはずです。

日本で何が起きたのか?
・新興市場の創設によりベンチャー・中小企業が上場しやすくなった。
・上場基準の緩和により資金調達手段を求める企業が増加した。
・上場ゴールという言葉があるように、上場がステータスとなり、目的化した。
・子会社上場も増えた。
・絶対数の増加とともに、ガバナンスが行き届いていない上場会社も増えた。

米国で何が起きたのか?
・プライベートマネーが増加し、企業はPEやVCを通じて資金調達が可能になり、非公開企業として存続できる方法ができた。
・SOX法のような厳格な報告および規制要件により、企業が株式公開を行うにはより費用がかかり、複雑になった。
・短期的に結果を求められるプレッシャーが強まった。
・大企業による小規模な公開企業の買収により、企業の総数が減少した。

議論は、M&A
さて、ここでタイトルと、日経新聞の記事に戻ります。米国で過去に起きたことが、これから日本で起きるということだと思います。それが、非上場化とM&Aです。アクティビストだけでなくそれ以外の投資家からの要求にこたえられない企業も増えるでしょう。競争をよりあおられる。企業を強くする一つの方策として、企業を変える一つの方策として、M&Aが増える。事業の統廃合の過程で、非公開化も増える。日本全体の競争力が増えるという観点で、ファンドがどんどん入って動きが活発になるのはよいことです。もちろん、彼らのターゲットにされた当事者だったら、大変でしょうけどね…。

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