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『平成金融史』 西野智彦さん

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失われた30年というワードに疑問を持ったので、過去30年の金融に何が起きたのかを、この本を通じて確認してみました。

30年余りの金融混乱を4つにわけています。
①89-95年:バブル崩壊も、問題の先送りを繰り返した。
②95-02年:金融危機→大型連鎖破綻にる公的資金やゼロ金利。
③02-08年:デフレと不良債権→大規模量的緩和と竹中プラン。
④08-18年:リーマン危機や東日本大震災後の円高でデフレが慢性化→異次元緩和。

戦後日本の成功が終わったタイミングから今までが語られています。豊富なインタビューや当時の記録に基づいた臨場感のある話を読むことができます。

正直、情報量が多すぎて消化できたのは30%もないと思います。ただ、だーっと読むだけでも平成の概略がわかって面白かったです。

学んだことを3つにしてみました。
1 正しい認識の難しさ:バブル崩壊が起きた日本も、それを詳細に研究したのに08年の金融危機を起こしたアメリカも、「バブル崩壊によってその存在を確認するまで、バブルを明確に特定することは非常に困難」だった。いかに客観的に世の中を見ようと努力しても、当事者になるとわからなくなる。何事にも共通することでしょう。

2 国際的な相互信頼の重要性:また金融危機は起こるでしょう。その時に、今のような国同士の分断が大きいままでは、事態の収拾は図れません。世界は繋がっていて、経済も金融も繋がっています。経済に限らず、個人も国も、仲は良い方がいい。

3 金融は血液:金融は経済の血液だと言われますが、その意味が少しだけわかりました。血が濁ると体の機能も低下するし、脳が詰まったりして体が動かなるとのと同じなのだと。いったんダメになると回復まで時間がかかることも、もしかしたら治らないことも。それが1人の体じゃなくて、世界という頭・体全体に影響を及ぼすので、金融って恐ろしく大事な仕事だと、いまさらながら少しわかりました。金融のお仕事は、最高レベルの人達がやらないとダメですね。責任と影響範囲が大きすぎる。

バブルを実体験していない世代こそ読むと良いと思います。とても面白かった。

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