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コーポレートファイナンス4:社債

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さてさて、社債の話が出てきました。社債は投資家からの借入金なのですが、社債という言葉自体がね、よくわからないですよね。だいたい何のために社債って使うのか、という話からしてわかりません。

そもそも資金とは何のためなのか
株式も社債も資金調達の手段なわけですが、どんな時に資金が必要なのでしょうか?事業拡大を図りたいときや、新事業を立ち上げたいときや、構造改革をしたいとき、などです。

代表的な資金調達は株式発行
資金調達の代表は株式の発行です。会社は株式を発行して資金を集め、その見返りとして株主に議決権や配当金などの権利を与えます。この他に金融機関からの借入や社債の発行などが代表的な資金調達手段です。

社債とは
では社債とは何か。事業会社が発行する債券です。債券とは、投資家から資金提供を受ける代わりに元本と利息を返済する有価証券です。融資は金融機関から事業会社への貸付で、社債は機関・個人投資家から事業会社への貸付です。返済義務があるので、会計上は負債となります。

社債と株式の違い
・株式:投資家がその会社に出資する→会社は返済義務無し。ただし、配当金や株価上昇による売却益、議決権などの権利を提供します。
・社債:投資家がその会社にお金を貸す→会社は返済義務有り。元本を返さないといけないし、利息も支払う必要があります。

投資家目線から見ると
・株式:価格変動が大きい=リスクが高い
・社債:価格変動が小さい=リスクが低い

倒産時の取り扱い
・株式:保有者は”出資者”であり、倒産時の弁済の優先順位が低い
・社債:保有者は”債権者”であり、倒産時の弁済の優先順位が高い

社債の種類
株式との違いを確認したところで、社債の種類を見てみましょう。
・普通社債:一般的に”社債”と呼ばれるものです。目的は中長期の資金調達で、前提は償還時に元本を返済することです。ほとんどの場合で利息を支払います。主に金融機関のような機関投資家向けに発行されます。

・転換社債:株式に転換することができる社債です。転換するときの価格は時価ではなく、あらかじめ定められた価格です。株式に転換しなければ、普通社債と同じです。株式に転換すれば、社債ではなくなります。投資家にとっては、株価が上がれば転換し、上がらなければそのまま社債の償還をというメリットがあります。

・ワラント債:新株予約権付社債です。転換社債と違うのは、株式に転換できるわけではない、ということです。単に、とある価格で株主を買う権利が付属された社債、です。これは、信用力の低い企業の調達方法の一つです。普通社債だと高い利率になるので、新株予約権をつけて、低めの利率にする、という方法です。

・劣後債:その会社が倒産した時の弁済順位が低い社債です。会社にもしものことがあれば元本ごと失うリスクは高い。でもその見返りとして利率は高めに設定されています。

資金調達方法の使い分け
最後に、事業会社の立場から、借入、社債、株式発行をどのように使い分けるべきなのかを説明しておきます。

1.社債発行
メリット:株式と比較して、所有権を放棄せずに済むため、経営権の希薄化が起こらない。利息費用は税務上の経費として認識されるため節税効果がある。
デメリット:金利変動や信用状況の悪化により、資金調達コストが高まる可能性がある。また、破綻時には債権者への支払いが義務付けられている。
どんな会社が使うべきか:安定したキャッシュフローを持ち、レバレッジを利用してROEを向上させたい企業。

2.株式発行
メリット:返済の義務がないため、キャッシュフローへの圧力が少ない。また、新たな株主からの資金提供という形で広範な資金調達が可能。
デメリット:株式の発行により既存株主の持ち分が希薄化される。また、株価が低迷している時に株式を発行すると、資金調達コストが高くなる可能性がある。
どんな会社が使うべきか:大規模な資本が必要で、負債を増やすことなく資金を調達したい企業。成長段階にあるスタートアップや事業拡大を図る企業などが挙げられます。

3.借入
メリット:相対的に短期間で資金を調達できる。借入条件(金利、期間など)が企業の信用度により変動する。
デメリット:借入れには返済義務があり、また、過度な借入は財務リスクを高める。
どんな会社が使うべきか:運転資金等の短期的な資金需要がある場合や、大きなプロジェクトで資金が必要な場合。安定した収益を上げる既存事業が背景にある企業が利用しやすい。

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