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「暮らしやすそうだから」

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マンハッタンはひと通り回ったので、少し南下してブルックリンへ。おしゃれな古着屋さんや雑貨屋さんやアートが集まる地区へ参りました。美味しそうなカフェやレストランがたくさんありまして、「そういえばベーグル食べてないな」と思ってベーグル屋さんへ。

プレーンベーグルに卵ペーストをつけたシンプルなものを注文し、レジに行ったら「2000円です」ですって。待て待て。ラーメン一杯2000円は聞いたことがあったけど、ベーグル一個2000円は聞いてない。おれはぼったくられてるのかと思ってメニュー表を確認したところ、たしかに値段は合ってる。どうなっているんだ…。

そういえばふと、何で自分はアメリカとロンドンで暮らせているんだろう、と思いました。もともと自分は希望していたんだっけな?と。すると過去の記憶がスーっと蘇ってまいりました。

2006年にコマツに入社して工場の経理部門に配属されて1番最初の目標管理面談(半年の振り返り)のときのこと。振り返り用の記入シートに、将来のキャリアの希望とその理由を書く箇所がありました。そこに私は、「キャリア希望:欧米勤務。理由:暮らしやすそうだから」と書いて提出しました。いやいや、キャリア希望を書くところであって、いきたい旅行先を書く箇所じゃないんですよ。キャリア希望の欄にやりたい仕事ではなく住みたい場所を、理由の欄にキャリア的理由でなく個人的理由を書くところが馬鹿ですね。今でも馬鹿な人間ですが、23歳の頃はさらに上をいっていました。

それを見た上司は深いため息と、どうしたら良いんだこのバカはという哀れみの眼差しで私を見つめ、「お前な、3ヶ月しか働いてなくて経理の仕事がどういうことかもわかってないのに、なんやこれは。このシートは本社での人事にも使われるんや。海外の前に、まずは本社の戦略部門を目指すもんや。あと、この会社は新興国に出て行くんや。お前が想像してるニューヨークやロンドンには駐在地はないぞ。しかも、なんやこの理由は。“何が暮らしやすそうだから“や。100年早いわ!」と言われました。

いやあ、今考えたら本当に上司の言う通り。私は殴られなかっただけありがたいと思うことにしましょう。ただ当時の私は「何だこのオヤジ。何を書こうがオレの勝手だろう!」と心の中で思っていました。無知とは恐ろしく、無知は傲慢さを生みます。

とはいえ、結果的に私はアメリカにもロンドンにも来ることが出来ました。これはひとえに周りのサポートによるもの。この運に感謝しながら、さて、次はどこに行きたいかな。そんなことを考えた日曜の昼下がりでした。

写真はブルックリン橋。最高でしたね。ハイエナジー、って感じです。

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