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企業再生2:Z-Score

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さて、企業再生の授業第2回目。今回はZスコアという、企業の倒産リスクを予測するために広く使用されている数式を習いました。1968年にエドワード・アルトマンという人が開発したもので、今後2年以内に企業が破産する可能性を示す指標です。企業内部の実務者が使うものではなく、外部の人がざっくりとあたりをつけるために使う指標のようです。

Zスコアの構成要素
運転資本 / 総資産(A)
留保利益 / 総資産(B)
利息・税引前利益(EBIT) / 総資産(C)
株式時価総額 / 総負債(D)
売上 / 総資産(E)

Zスコアの計算式
Z = 1.2A + 1.4B + 3.3C + 0.6D + 1.0Eで計算し、合計が1.8以下の場合、企業が財務的な危機にあるとされ、3.0以上の場合は財務的に健全と判断されます​。

メリット
・精度が高い:Zスコアは、倒産リスクを2年前に72%の精度で予測できるとされています。本当かどうかは、わかりません。
・簡単に計算できる:データが取りやすく、計算式がシンプル

デメリット
・非公開企業や新興企業には適さない。
・市場の変化に対応しにくい:突発的な市場の変化や、外的要因(例えばCOVID-19のようなパンデミック)による影響は反映されにくい。まあ、そんなこと言い始めたらどの指標も使えなくなるので、あまり気にしないでよいと思います。

一般的な財務分析指標との違い
1.Zスコア vs. 流動比率
Zスコアは、企業の倒産リスクを包括的に評価するモデルで、5つの財務比率(運転資本、留保利益、EBIT、株式時価総額、売上)を用いて計算されます。
流動比率は、流動資産と流動負債を比較することで、短期的な支払い能力を評価します。

2.Zスコア vs. 財務レバレッジ
Zスコアでは、株式時価総額と総負債の比率(計算式のD)を使用し、企業の負債状況も考慮されます​。
財務レバレッジ比率(Debt to Equity Ratio)は、企業の資本構造に焦点を当て、どの程度の負債を株主資本で支えているかを示します。

3.Zスコア vs. キャッシュフロー分析
キャッシュフロー分析は、企業の現金の流れに着目し、特に企業が営業活動や投資活動、財務活動からどのように現金を得ているかを分析します。キャッシュフローが安定している企業は財務的に健全であると見なされ、逆にキャッシュが不足すると倒産リスクが高まります。
Zスコアは、キャッシュフローのように企業の短期的な現金状況だけでなく、より包括的な財務指標を使用して、より長期的な倒産リスクを評価します​。

4.Zスコア vs. EVA(経済付加価値)
EVAは、企業が資本コストを超える利益を生み出しているかどうかを評価する指標です。企業の収益性を示し、資本の効率的な使用を促します。
Zスコアは、EVAのような収益性評価に加えて、企業の財務バランス全体に焦点を当てており、倒産リスクも含めた総合的な評価を行います。

5.Zスコア vs. ROI(投資利益率)
ROIは、投資に対するリターンを評価する指標で、企業の資本効率を測定します。
Zスコアは、企業の倒産リスクに焦点を当てており、ROIのように単純にリターンを測定するものではありません。

私はこのZ-Scoreなるものを聞いたことがありませんでした。そして、オペレーション的には、5つの要素は合計してはいけない(なぜならそれぞれに分解して原因究明して対策を打たないといけないので)と思います。が、外部の人が「この会社そろそろまずいのかも=企業再生のお仕事のチャンス」と、あたりを付けるために有効なのだな、と理解しました。

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