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世界経済5:インド、まさにカオス

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さて、今日の世界経済はインドについて取り上げられました。私はインド人のクラスメイトと暮らしていたので、興味あり。さっそく見ていきましょう。

まずは数値から
まずは事実を確認していきましょう。
1. 14億人(世界人口の18%)を擁し、若者人口は世界最大
2. 7億6,000万人のインターネット・ユーザーを擁する、新しい消費層世帯にとって2番目に大きな市場
3. 人口100万人以上の都市が約60ある
4. 169人の億万長者がおり、その総資産は6,750億ドルで、米国、中国に次いで第3位
5. 新しいバイオメトリクスIDカード保有者13億人
6. 平均寿命66歳(男性)、70歳(女性)
7. 経済規模は過去10年で倍増し、実質GDPのトップ3に入る。
どうです?なんかすごそうですよね。すでにめっちゃ繁栄してそうやん、って感じに見えます。ただ、私の同居人が言っていることとは違う雰囲気を感じます。あと、個人的に目につくのは6番目。平均寿命が短いですね。

貧困に苦しむ方も多い
上記の4で億万長者がたくさんいて、資産規模は世界第三位ということでしたけれども、貧困で苦しむ方も多いようです。データによると、世界の貧困層全体のうち、インドは20%を占めているとのこと。最貧困だとアフリカが多いのですが、貧困というくくりだとインドが一番多い。

経済規模の割に株価はそこまで伸びていない。
最近のインド株式の勢いはすごいですよね。インド市場全体に投資するETFもとても売れています。が、教授の資料によると、インドが持つ経済規模に比べると、株価はそこまで高くない。この事実をもって、「なるほど、ならこれから経済に追いつくべく、株価も上がるんだな」と捉えるのか、「マーケットはそこまでインドに期待をしていないということか」と捉えるのか。さて、どっちにします?

成長のための4つの柱
これからのインド経済は伸びるのか?それを考えるにあたって4つの視点が紹介されました。
1.単一の国内市場の形成(地域市場や主に現金を使用するインフォーマルなビジネスに取って代わる)。
2. 再生可能エネルギーと中国からのサプライチェーン移転による産業の拡大。 GDPに占める製造業の割合はまだ非常に低い。
3. ITの優位性の継続(統一決済インターフェースなど)。
4. 上記の他の3つの柱から取り残された数億人のためのハイテク福祉セーフティネット。

インドの難しさ:民主的
ここで面白い図が紹介されました。アメリカ、インド、中国、イギリス、韓国の、民主化の度合いと経済発展の度合いをグラフにしたものです。アメリカ、イギリス、韓国は、民主化とともに経済がぐーっと発展していきます。中国は民主化しないけど経済が発展していきます。インドはというと、経済が発展する前の段階で民主化されています。
これが意味するものはなんでしょうか?民主的なんだからいいじゃん、というのもあるのですが、民主的というのは、利害や興味がばらばらでみんなが自由ということです。独裁がないので、ある程度の強制もありません。てことは?国として団結して一つの方向に進むのは、難しいように、私には感じます。


植民地化の影響
インドイギリスによって植民地化されていますが、植民地化されるとどんな影響があるのでしょうか?
1. ネガティブな影響 – 植民地の過度の搾取 – 資源の流出 – 搾取的制度
2. ポジティブな影響 – 平和と対外防衛の確保 – 国際貿易と資本移動の促進 – 投資(インフラ、学校、診療所)
3. 影響なし: 長期的な成果を決定する主な要因は資源の恵みや地域の特性であり、植民地支配が果たす役割は小さいとする意見もあります。

この授業では、インドにおいてイギリスの直接統治下にあった地域と植民地の間接統治下にあった地域の経済的成果を比較していまして、不都合な真実として、 直接統治を経験した地域では、学校、保健所、道路へのアクセスレベルが著しく低かったことが示されました。 よって、インドにおいては、植民地化はあまりプラスに働いていないのかもしれません。

インドの関税はめちゃ高い
インドは高関税国として知られています。これ、各国と比べますとですね、本当に高いですね、インドは。平均の関税として、アメリカ4%切るレベル、日本は4%ちょい、EUが5%、中国が10%で、インドは17%。うーむ、こりゃすごい。

製造業よりサービス業
これまでの経済学の授業で、発展の過程として一般的なのが、農業→工業→サービス業、という流れです。アメリカもそうだし、日本もそうだし、中国もそうでした。が、インドの経済成長を支えているのはサービス業の伸びで、工業ではない。もちろん工業も伸びているのでしょうけど、それをすっとばして、サービス業が伸びている。たしかに、インドってITサービスで有名ですもんね。

農業の課題
インドでは農業に従事する人がいまだに多いようでして、何点かトピックがでてきました。
・農業の生産性が向上していない。他国と比べると、インドの農業の制裁性はかなり低い
・非農業部門と比べて、農業部門の方の収入は15-20%程度低い

インドの課題
ここが面白かったです。インド経済の成長を阻む課題として大きく注目されているのが、「資源の誤配分」と「地域間の経済格差」。この2つの問題が生産性や成長率に悪影響を及ぼしており、インドの持続的な経済発展を阻害しているそうです。

1.資源の誤配分(Misallocation)
インドでは、資本や労働力の誤配分が深刻な問題となっています。特に、政治的なコネクションを持つ企業が、実際の生産性に見合わない形で資金を得る一方、生産性の高い中小企業やスタートアップは十分な資金を調達できないという事例が多く見られます。このような資源の不均衡な配分により、全体的な生産性が低下しています。
具体的には、インドの製造業の労働力の硬直性や、金融市場でのアクセスの不平等。特に、銀行融資が大企業に偏っており、地方の中小企業が十分に資金を得られていません。また、州ごとの労働市場規制の違いも、誤配分の一因です。

2.地域間の経済格差
インドでは、州ごとの経済成長率や生活水準に大きな差が存在します。グジャラート州のように急成長を遂げている地域もあれば、パンジャーブ州のように成長が停滞している地域もあります。この地域格差は、経済成長の果実が均等に分配されていないことを示しており、貧富の差や社会的不平等を深刻化させています​
また、インドの農村部と都市部の賃金格差も大きな問題です。都市部では雇用機会が多く賃金も高い一方、農村部では低賃金の仕事が大半を占めており、このギャップが社会的・経済的な不平等を生み出しています。さらに、女性の労働参加率が低いことも、全体的な経済成長を阻害する要因となっています。

私がインド人の同居人から聞いてきた話と合致します。正直、上記を解消するのって、結構難しいと思うんですよね。しかも14億人でしょ?1億4千万人だったとしてもまとめるのめちゃ難しいと思うのに、その10倍。いやあ、これはなかなか…。

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